0:00 全国初の取り組み「イマ―ジョン教育」
5:40 おうち英語の極意
8:06 ゲームしながら英語を学ぶ(サムネイル)
小中学校での英語教育が拡充される一方で、早くから英語への「苦手意識」を持つ子が増えているというデータもあります。英語を楽しく身につけるために“おうち”でできること、取材してきました。
「Fold a square diagonally, we can make two right triangle.(正方形を斜めに折ると、直角三角形が2つできます)」
最初にお邪魔したのは、豊橋市にある八町小学校の2年生の教室です。
「こちらのクラスでは英語の授業が行われている?」(鈴木しおりアナ)
「算数の授業になります」(稲田恒久 教頭)
「算数の授業を英語で行なっている?」(鈴木)
「イマージョン教育コースという学級。国語と道徳以外の授業は英語を用いている」(稲田教頭)
公立の小学校では全国初の取り組み、イマージョン教育。
『イマージョン』とは、「浸すこと」を意味し、文字通り“英語漬け”で授業も生活も行うクラスを通常学級とは別に設けました。(2020年度~)
この日の算数は、分数の授業。図形を均等に分ける方法を学んでいます。
「I think No.1 is not a half of one half.(No.1は半分の半分じゃないと思う)」(児童)
「Why?(なぜ?)」(先生)
「Beacause I think that it is not the same with this original size.(この元のサイズと同じではないと思うから)」(児童)
「こんなに文章をスラスラと英語で小学2年生が言えるもの?ここは外国?びっくり」(鈴木)
“英語漬けクラス”全校児童の約半数(143人/297人)が選択
そんな2年生の休み時間は…。
「Yesterday, I ate SUGAKIYA, because my mom was tired to make dinner.(きのうスガキヤを食べた。お母さんが夕食作りに疲れていたから)」(児童)
「I ate Ramen. (ラーメンを食べた)」(児童)
「Yesterday, I ate(なっとうごはん)」(児童)
『グローバル社会で活躍できる人材の育成』を目的に誕生した、八町小学校の“英語漬けクラス”は、現在、全校児童の約半数(143人/297人)が選んでいます。
「(始まって)丸3年経って成果というのは、今のところどうですか?」(鈴木)
「予想するよりも早くから、子どもたちが(英語の)文字を読める。文字を見て読むということがとても進んでいると思う」(稲田教頭)
稲田教頭によると、元々は英語の『聞く力』を主軸としていましたが、教える側の想像以上に、『読む力』や『話す力』も身についていると言います。
英語への「苦手意識」を持つ子が増加
英語漬けの授業について、子どもたちに聞くと。
「最初は(勉強の)やり方とか戸惑った。慣れれば大丈夫でできた」(小6)
「3年間やって意外と楽しいと思ったり、普通に聞き流していても日本語と同じように(耳に)入って理解できるようになった」(小6)
「(Do you like English?)Yes! 大人になって英語を知っていれば、お友だちがいっぱいできるから」(小2)
学習指導要領の改訂で、2020年度に拡大された小学校の英語教育。現在はどの学校でも、3・4年生から英語に触れる、外国語「活動」を行ない、5・6年生では、英語を「教科」として教えています。
一方、文部科学省によると、小学6年生への調査で、2013年度は「英語が嫌い」と答えた子が23.7%だったのに対し、2021年度には31.5%に増えているのです。
「楽しいけどちょっと苦手。ABCしか教えてもらってないのに、すぐ難しいものを覚えさせられる」(小6)
「会話になるとダメ。細かい文法ばかりで大変だから」(中1)
「一応、英会話教室も行っているけど、その場ではできるけど、家では使わない。一時のものになっちゃっている」(母親40代)
「自分も苦手だったので、なかなかうまく教えられない」(母親 30代)
英語嫌いにならないためにできることは?
英語教育に詳しい、玉川大学の佐藤久美子名誉教授に話を聞きました。
「英語に苦手意識を持つ子どもが増えているのはなぜ?」(鈴木)
「5・6年生は『教科』になったので、算数や国語と同じで通信簿がつく。そうすると、知識や技能に重きを置いて、評価をしてしまう先生が中にはいると思う。(成績を見て)”間違えたらどうしよう””ちょっと英語は苦手だな”と思う子どももいる」(玉川大学 佐藤久美子 名誉教授)
教科として成績がつくことが、子どもが早くから苦手意識を持つ要因のひとつだと、佐藤教授は指摘します。
「子どもが英語嫌いにならないために、家でできることは?」(鈴木)
「親も子どもと一緒に英語の環境づくりをしたら良い。例えば、好きな洋楽を子どもと一緒に歌ってみる。好きな映画があったら一緒に見てみる。コミュニケーションの必然性が生まれる場をつくることが必要」(佐藤)
お金をかけない『おうち英語』のポイント
「Which do you like scrambled egg or sunny side up?(スクランブルエッグと目玉焼きはどっちが好き?)」
「Both of them. (両方)」
みよし市に住む、棚橋さんファミリー。7歳の長女・ゆうきちゃんが生まれてからすぐに、おうちで『英語の環境づくり』を実践してきました。
「(子どもに)英語を身につけてほしいなと思ったが、教材が高いし、インターナショナルスクールに入れるのも抵抗があった。自分で始められないかと思ったのがきっかけ」(棚橋理紗さん)
お金をかけない『おうち英語』そのポイントとは?
「Do you like custard on your cornflakes?(コーンフレークにカスタードをかけるのは好き?)」
まずは、図書館で英語の絵本を借りること。理紗さんによると、大きな図書館でなくとも、意外と豊富にそろっているそうです。すべて借りてしまったら、最寄りの図書館以外から取り寄せる手も。
「Do you like jam? (ジャムは好きですか?)」
海外の教育系動画で“英語漬け”に
次に、テレビを見るなら英語のアニメを!YouTubeで見られる海外の教育系動画は、クセになるリズムの曲やカラフルな映像で、毎日でも“英語漬け”に!?
そして、一番大事なのは「Still more, We.」「Yes, still more, We.」遊びも、食事も、とにかく英語で話しかける!
簡単な単語でも良いので、細かい発音を気にせず、「話す姿勢」を見せ続けることが大切なんだとか。
「(英語は好き?)英語の遊びが好き。喋ることが楽しい」(棚橋さんの長女・ゆうきちゃん)
ちなみに理紗さん、ゆうきちゃんが「工作好き」なことに目をつけて、いまや、お友達や近所の英会話講師を招いて英語の「アート教室」を開くまでに。
「Marina, what are you making? (マリナ、何を作っているの?)」(先生)
「dog. (犬)」(子ども)
「A dog! cool! (犬!かっこいいね!)」(先生)
「子どもが好きなことを理解できるのはママ。自分の子どもがやりたいことがあれば、それに対して(英語で)レスポンスをすることが良いと思う。毎日、知らない間に英語に触れさせられる環境づくりが大切かなと思う」(棚橋さん)
ゲームをしながらオンライン英会話
おうちでできる「英語の環境づくり」。続いては…
「The enemies are moving to the 1st floor.(敵は1階に移動中)」(安味純志くん)
小学4年生の純志くんが夢中になっているのは人気ゲームの「フォートナイト」
実はこれ、オンラインの英会話教室なんです。
「英語の習い事がなかなか続かず、このままだと英語嫌いになってしまうのが心配になった。ゲームが大好きなので、ゲームをしながら楽しくできれば」(母・安味祥代さん)
全国の受講者は、ここ3カ月で約3倍に増える人気ぶりなんだそう。
「What do you have in your Inventory?(武器庫には何がある?)」(先生)
「In my Inventory, I have an ex-caliber rifle,and submachine gun and assault rifle.(持っているのはエクスキャリバーライフル、それと、サブマシンガンとアサルトライフル)」(安味純志くん)
純志くんは、始めて約1年で、英検準2級を取れるまでに英語が上達。さらに、お母さんの祥代さんにとっても、良かったことが。
「友だちどうしでフォートナイトをしていくと、ケンカになったり、お互いに暴言を吐いたり。私のほうがストレスだったけど、先生が大人というのもあり、言い合いになるわけもない。ゲームもありかなと肯定的な感じで(ゲームをする純志くんを)見れるようになった」(安味くんの親)
「The teacher’s gaming skill is really good, and we can talk in English. So I like the gaming.(先生はゲームが本当にうまくて、英語で会話できる。だからゲーミング英会話が好き)」(安味純志くん)
親世代よりずっと早い時期から、英語に触れ始める現代の子どもたち。
子どもの『好き』を一緒に楽しむことが、上達への一歩と言えそうです
子どもの英語教育『中学英語の壁』
玉川大学の佐藤名誉教授によると、今の中学英語は、小学校とがらりと変わり『文法』重視に。
難易度・覚えるべき単語数もアップ
⇒小学校で英語を楽しんでいた子が「つまづく」要因に
そこで新年度、中学校に上がる親子に春休み中取り組んでほしいことが…
1ページ1行ほどの簡単な英語の絵本を音読し真似して写す&褒めてあげること。
⇒小学校英語であまりやらない「読む」「書く」に慣らし、
自信をつけてあげることが中学英語への備えになるそうです。
(3月9日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
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